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(デジタル) iPhoneの死角

先月、アメリカで開かれたアップル社のWorldwide Developers Conferenceで、第3世代携帯電話に対応した2代目iPhoneが発表された。日本ではソフトバンクモバイル社から発売されることが決定、発売日の7月11日には表参道をはじめ、多くの行列ができ、マスコミをはじめ大騒ぎした。

携帯電話関係のアナリストで、私がよく記事に目を通すのが、ITmediaの神尾寿氏と日経IT PLUSの石川温氏の二人だ。普段は鋭くいい突込みを書くこの二人も、iPhoneにいたっては手放しで評価している。
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0807/10/news013.html
http://it.nikkei.co.jp/mobile/column/columngyoukai.aspx?n=MMIT0f000009072008&cp=1

言うまでもなく、iPhoneは斬新で素敵な端末だ。デザインが素晴らしい。さらにSDK(Software Development Kit:ソフトウエア開発キット)が公開され、多くのベンダーによるiPhoneのソフトウエア開発が簡単にできるようになっている。

しかしiPhoneには日本のマスコミがあまり着目しない問題点がいくつもある。問題点を挙げてみよう。

① 月の費用が高い
② 電池の持続時間が短く、しかも電池交換が簡単にできない
③ メールがパソコンメール扱いになってしまう
④ 絵文字が使えない
⑤ 「ただともメール」の対象外
⑥ 受信したメールを、30日以上iPhoneに保存しておくことができない
⑦ 赤外線通信機能がない
⑧ マイクロSDやMiniSDカードといった外部メモリーカードが使えない
⑨ モバイルsuicaや Edyといった「おサイフケータイ」機能がない
⑩ 携帯電話専用のサイトが見れない

私が着目する問題は、費用、メール、電池の3点である。

[WSJ] 新しいiPhoneは「買い」か? 使って初代と比べてみた (1/2)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/09/news086.html

「iPhone 3G」は実質2万3040円から──月額5985円のデータ定額プランも新設
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0806/23/news073.html

iPhoneの料金プランは「ホワイトプラン(i)」、「ブループラン(i)」(計12種)、「オレンジプラン(i)」(計10種)から選択できる。ただしiPhone ユーザーは、基本料金プランと新設されたパケット定額フル(月額5985円)+「S!ベーシックパック(i)」(月額315円)への加入が絶対だ。一番安くプランを組んでみると、ホワイトプラン(i)980円+パケット定額フル 5985円+S!ベーシックパック(i) 315円=7280円が絶対にかかり、さらに端末本体の代金がかかる。

8Gバイトモデル(ブラック)
月々960円 (分割金 2880円ー特別割引 1920円)×24カ月=2万3040円

16Gバイトモデル(ブラックまたはホワイト)
月々1440円 (分割金 3360円ー1920円)×24カ月=3万4560円
(出展) It media

2年間で総計19,7280円(8Mモデル)、20,9280円(16Mモデル)払うことになる。これはホワイトプラン(i)を基にした計算なので、ソフトバンクへの通話以外は有料(ソフトバンクへの通話でも21時から1時までは有料)であり、docomoやauユーザーとそこそこ話せば1ヶ月で1万円は余裕でかかるだろう。つまりiPhoneは「2台目」として気楽に買える物ではないと言える。

(ちなみにdocomoの人気機種、P906iを買ってバリュープランSS、パケホーダイフル(月額5.985円)、i-mode付加機能使用料(月315円)、ひとりでも割引MAX50に入ったとすると、端末代金56000円+(980円+5,985円+315円)×24ヶ月=で23,9720円になる。この中には月1,000円分の無料通話代が入る。もっとも、パケット代をパケットパック10や30、フルブラウザは見れないパケホーダイにすれば、コストはぐんと下がる)

メール機能の貧弱さも気になる。iPhoneのメール(i)は「S!メール」ではなく専用のインターネットのメール扱いになり、「ただともメール」の対象外となる。インターネットメールの着信拒否をしている友達には「宛先指定受信」の設定をしてもらう必要がある。またiPhoneは絵文字にも非対応だ。日本の女性は絵文字を非常に好み、メールに絵文字が付かないことの方が珍しくなっているだけでなく、男性にも着実に浸透している。絵文字の非対応は大変残念だ。

電池の問題はもっとも深刻だ。神尾氏をはじめ日本のマスコミはこの点をあまり問題にしていないが、WSJによれば、3Gネットワークを使った独自のバッテリーテストを実施したところ、音声通話は4時間27分、3Gネットワーク経由でのインターネット接続は5時間49分だったという。またテスト中、電池が一日持たないことが何度かあったという。iPhoneユーザーは音楽機能を好んで使うだろうから、1日に1回必ず充電しなければならないだろう。このことは、電池の寿命が短いことを意味する。iPhoneは電池交換が簡単にできない。アメリカの初代iPhoneでは、一回100ドル程度の手数料が掛かるといわれている。電池の問題はiPhoneのアキレス腱である。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/09/news086_2.html


これらのことをきちんと分かった上で、iPhoneを買うなら勿論よいと思う。しかし、世のマスコミの記事はほとんどがiPhone礼賛で冷静さを欠いており、それに踊らされるのはいかがなものだろうか。

今のケータイをそのまま使って、iPod Touchかnanoを買うという選択がもっとリスペクトされてよいのではないか。

「iPhoneが欲しくない」と言えない
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/14/news073.html

神尾寿の時事日想
http://bizmakoto.jp/makoto/jiji_wed.html

テーマ : iPhone - ジャンル : 携帯電話・PHS

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